寒い冬の朝、訪問・訪室したら利用者が亡くなっていた!
そんなことがありませんか?
実は、熱中症よりも低体温症で亡くなられてしまう人数が多いのです!

【低体温症ってなに?】
体温自体が低下してしまっている状態のことを「低体温症」といいます。
直腸体温で35℃以下(腋窩体温で34℃以下)のことを低体温と診断されます。
軽度低体温症(35~32℃)は体温を上げようとするため「ふるえ」
中等度低体温症(32~28℃)は意識朦朧
重度低体温症(32℃以下)は呼吸停止、致死性不整脈(心室細動など)が起こります。
そのため、体温が34℃を下回ると生命の危険があるため注意が必要になってきます。
※「冷え性」と違うの?と疑問に思った方
冷え性は、「末端まで熱を運ぶ能力が低下している状態」なので低体温症とは別になります。
【高齢者に低体温症が多いのはなぜ?】
加齢につれて
・エネルギー代謝能力が低下し、体内で熱が作りづらくなります。
・血管が収縮せず、体温調節が衰えてきます。
・熱が逃げやすくなり、冷えやすい状態になり体温維持がしにくくなります。
・暑さ寒さの感覚が鈍くなります。
そのため、夜間~朝方の寒い時間になくなるケースが多いのです。
特に気を付けて頂きたい方は・・・
・不整脈がある方
・精神疾患がある方
・糖尿病がある方
・高血圧がある方 などです。
【低体温症にならないための予防は?】
1.運動
筋肉をつけることでからだに熱が作りやすい状態になります。特に大きな筋肉がある下半身を動かすと良いです。
ただし、激しい運動は危険を伴いますので、体操を行うと良いでしょう。
2.部屋の気温を調節
低くても20℃に設定しておくとが望ましいです。特に夜~朝方は冷えますので、光熱費もかかりますが常に温かくしておいたほうが安心です。
また、火事や乾燥、やけどには注意してください。
3.食事
温かいものを内面から温めるのも一つの方法です。

しょうが、ネギ、ニンニク、大根、じゃがいも、カボチャ、ゴボウ、玄米、みそ、玉ねぎなどが身体を温めてくれる食材となります。
それにプラスしてタンパク質が豊富な食材を付け加えることで筋肉がつくられ熱産生にもつながります。
※注意としては、お茶やコーヒー、紅茶などのカフェインを多く含まれるものや、アルコールなどはおしっこが出やすくするため体温を下げやすくしてしまいます。ホットミルクやコーンスープなどを活用してみてください。
何気に知らない高齢者と低体温症の関係は以上となります。
救急予防を知っておくと不安の軽減にもつながります(*’ω’*)
介護現場で働いている方の役に立てればと思っています。